ストレス解消や自宅での心のケアに、アロマセラピーを試してみたい。
けど、いきなり自分の好みや体調に合ったアロマオイルを見つけるのは難しい…。
そんな方は、生活の木や無印良品などの精油を扱っている店頭で香りを確かめるか、通販で「5本で1,000円」のようなお試しセットを買ってみることをオススメします。
癒しを求めて始めたアロマが、楽しい趣味なって早10年以上。
初めての方の購入の参考として、安価に買える精油を中心に、ストレスをやわらげたり、心を落ち着かせて休みたい時にオススメの精油を10点ご紹介します。
<柑橘系>の精油
①ベルガモット
紅茶のアールグレイの香り付けに使われることで有名なベルガモット。
ほとんどが食用ではなく精油用に栽培され、見かけはダイダイに似た果実です。
フレッシュで繊細な爽やかな柑橘の香りは、オレンジ程甘くなく、グレープフルーツやレモン程すっぱくないので、アロマが初めてな人も親しみやすい精油だと言えます。
また、多くの精油と相性が良いのでブレンドにも向いていて、1本持っておくと便利です。
リモネンと酢酸リナリルが成分の7~8割を占めており、ストレスや緊張で抑圧された感情や、漠然とした不安な気持ちをやわらげ、穏やかな精神状態に戻してくれます。
②オレンジ
オレンジの精油は「オレンジ・スイート」と「ビター・オレンジ」があります。
オレンジ・スイートはまさに熟した甘ーいオレンジの果実の香り。
ビター・オレンジはその名の通り、ほのかに苦味を感じられます。
どちらも主成分はリモネン。
特にオレンジ・スイートの成分の約95%はリモネンなので、ストレスや緊張で高ぶった神経を鎮めるリモネンの恩恵を最大限受けたいとき、オレンジの精油はオススメです。
ホッとしたいとき、不安感を取り除きたいとき、元気でポジティブな気持ちを取り戻したいとき、リラックスして安眠したいときなどに使いましょう。
③プチグレン(プチグレイン)
プチグレンはビター・オレンジやレモンなどの柑橘系の枝葉から採取される精油です。
ミカンの葉っぱを擦った時のような、ほのかな柑橘の香りと大人びたグリーンの香りが特徴的。
仕事や学校、私生活で心身ともに疲れてしまったとき。
とにかく休まなきゃ!という時にオススメの精油です。
ラベンダーやベルガモットと同じく酢酸リナリルを多く含んでいます。
酢酸リナリルは、脳をリラックスさせて睡眠を促すセロトニンという神経伝達物質を誘発する効果があるとされているので、ストレスで眠りが浅いときに使ってみましょう。
高価なネロリ(ビターオレンジの花から採る精油)に似た香りと効能があるので、代用として使われたりもします。
<フローラル系>の精油
④ラベンダー
やわらかで軽やかな、心地良い花の香り。
ラベンダーも他の多くの精油と相性が良く、全体の香りを上手くまとめて調和させるのでブレンドで使いやすい精油です。
また、酢酸リナリルを多く含み、優れた鎮静・鎮痛作用から多くの悩みに応えるレスキューアロマとして知られていますね。
不眠症や抗うつ、イライラや怪我の痛みを忘れたいときなど、体と心をリラックスさせたいときにオススメです。
アロマセラピーで使われる精油達には刺激が強いものもありますが、ラベンダーは刺激や毒性が少なく安全性が高い精油です。
⑤ゼラニウム
小さなピンク色の花を咲かせるゼラニウムは、ローズに似た香りがすると言われ、精油はフローラルで優雅な香りを持っています。
ローズと同じ芳香成分であるゲラニオールやシトロネロールが主成分で、抗うつや自律神経のバランスを整えたいときの手助けになります。
気持ちが沈んでいたり、更年期や、心身がアンバランスだと感じたときに使いたい精油ですが、少し重たい香りなので、きついと感じたら爽やかなベルガモットや軽やかなラベンダーとブレンドしてみましょう。
⑥パルマローザ(パルマローズ)
ゼラニウムと同じくローズに似た香りと成分を持ち、美肌効果で人気の精油です。
ストレスや不安、落ち込んだり、心細さを感じているときに、優しく元気付けてくれる精油です。
ローズやゼラニウムにも含まれるゲラニオールが主成分で、全体の7~8割を占めます。
ゲラニオールは抗うつ作用の他に、抗菌、肌の引き締めや老化防止に効果のある収れん作用が期待され、美容のために良く使われます。
アロマで手作りのスキンケア用品を作ってみたいときはまず購入したい精油ですね。
<樹木系>の精油
⑦シダーウッドアトラス
優しく甘い木の香りと、ほのかにフローラルさも感じられる精油です。
ヒバのような甘めな木の香りが好きな人は、こちらも好みだと思います。
瞑想に向いているとも言われ、優しい木の香りに包み込まれたいときに。
シダーウッド〇〇と呼ばれる精油には、マツ科とヒノキ科のものがあり、アトラスはマツ科です。
アトラスとバージニアは香りが異なるので注意しましょう。
リンパの流れを良くするセスキテルペン炭化水素類が主成分で、睡眠の質を高める成分として注目されているセドロールも含まれています。
心労で考えがうまくまとまらず散漫としていたり、不安や緊張をやわらげ集中したいときにもオススメです。
また、フローラル系の精油が苦手だと感じてしまう男性の方は多いですが、シダーウッドアトラスは、アロマが初めての男性にも好まれやすい精油です。
⑧パイン
スッキリと爽やか、清々しい針葉樹の森を歩いている気分になる精油です。
パインニードルとも呼ばれ、ヨーロッパアカマツという木から採取できる精油で、樹木の香りの元であるピネン類を多く含むので、森林浴と同じ効果が期待できます。
ペパーミントのようなスーッとした清涼感のある香りですが、使う量が多いとキツく感じる人もいるので注意しましょう。
落ち込んだり疲れてしまった心をやわらげてリフレッシュし、再び元気に活動したいときに使いたい精油です。
また殺菌効果が高く、特に呼吸器の炎症や感染症をやわらげるとされているので、ルームスプレーを作るときに使うのもオススメです。
⑨ティートゥリー(ティーツリー)
ティートゥリーは、オーストラリアの先住民の人達が古くから、怪我や感染症などに効果のある万能薬として使ってきた植物です。
香りはシャープで爽やか。
副交感神経を高めるテルピネン-4-オールが主成分で、頭をスッキリとさせ、疲れによるストレスや気分の落ち込みをなぐさめて、元気にしてくれます。
また、優れた抗菌作用、抗感染作用があり、風邪やインフルエンザ、花粉症対策に役立つとして注目されています。
心身の疲れで免疫力が低下してるときは、風邪などを引きやすいもの。
アロマディフューザーやルームスプレー、殺菌スプレーに使用して、心身ともに健康でいるために持っておきたい精油です。
<ハーブ系>の精油
⑩スペアミント
ごちゃごちゃと頭が煮詰まっていて、スッキリとリフレッシュしたいときにオススメの精油です。
同じミントの精油の「ペパーミント」は、人によってはキツくて刺激を感じてしまいますが、スペアミントはそれよりやわらかくてマイルドな香りです。
試験やプレゼンなどを控え、緊張して本来の力が出せそうにないとき、頭をクリアにして平常心を取り戻すきっかけに使いたいですね。
主成分のメントールは、中枢神経の刺激と鎮静作用を持つので、眠くて集中できないときにも、精神的に疲れたときにもオススメです。
さいごに
アロマセラピーは、植物の香りで心身の不調を癒やし、私達が健康に過ごすために考えられた療法です。
○○を治す!と宣伝して薬のように使うことは禁じられていますが、世界中で研究されているアロマセラピーを取り入れる病院も増えています。
注意したいのが、アロマセラピーで使うアロマオイルとは、天然成分100%のエッセンシャルオイル(精油)のことを指し、100均ショップなどで手に入る、人工香料を使ったアロマオイルでは望む効果が得られません。
購入の際には成分表をしっかり見てから買いましょう。
また、薬やコーヒーなどの嗜好品と同じように、赤ちゃんや妊婦さん、ペットに使えない精油もあるので注意してください。
アロマセラピーは、芳香浴やトリートメント、お風呂、手作りのスキンケアやヘアケア用品など、様々な楽しみ方があります。
アロマを気軽に楽しむには、私はアロマディフューザー(無印良品などに置いてある、香り付きのミストが出るアレです)を使った芳香浴が一番だと思っています。
アロマディフューザーも安くなり、今では数千円から買えるので、アロマオイルのお試しセットと一緒に買ってみてください。
好きな精油を見つけたら、それを単品で楽しんでもいいし、他の精油と混ぜてもいいし、プロが作ったブレンド精油を使ってもOKです。
香りを楽しみ、かつ心身の調子を整えてくれる、一石二鳥のアロマセラピー。
この記事を読んで、試して、ハマってくれる人が一人でもいたらとても嬉しいなと思います。