厚生労働省が副業の普及促進を図っている今、副業をしようとしている人、あるいは既にしている人は増えているのではないでしょうか?
私も副業で収入を得ている一人ですが、週5日勤務の本業をおろそかにするつもりは全くなく、副業のための活動は夜か休日に行っています。
そんなとき、隣の先輩(以下Aさん)が会社で仕事中に副業をしていることに気付きました。

副業を持つことは全然悪いことじゃないけど、本業の仕事中にするのはちょっと…
それからというものの、Aさんが副業をしている画面が目に入る度に、
「なんで自分が真面目に働いている横で、Aさんは別の所の仕事をして、収入を得ているんだろう」
とずっとぐるぐる悩んでいました。
ネットで色々調べたり、人に相談したりして、ようやく気持ちの整理ができたのでこのブログにまとめていきます。
自分のように同僚の勤務中の副業に悩んでいる人の、何らかの手助けになればいいなと願っています。
同僚の副業行為を本人や周囲に言う?言わない?
ネットで同僚の副業についての意見などを探すと、「他人のことなんて気にするな」といった考えをよく見かけました。
確かにそんな風に思えれば格好良いなと思いますが、Aさんの副業する姿を見る度にどうしてもモヤモヤして、自分を納得させられない。
悩み続ける自分に嫌気がさして、
「直接Aさんに『止めてください』と言おう」
と思うものの、中途入社でまだ一年も経っていない新人の自分が、年上中堅社員の先輩(男性)に言うのは少し覚悟が必要でした。
直接言っても上司経由で伝えても、Aさんと険悪な関係になる可能性があるからです。



入ったばかりの会社、それも少人数の部署で先輩に嫌われたら面倒なことになりそうだしなぁ…。
なので両親と友人に
「副業してる先輩がいるんだけど、副業を指摘して止めてほしいと言ってもいいかな?どう伝えればいいと思う?」
とアドバイスを求めてみました。
すると両親からは、
「自分の仕事に影響が出ないなら、副業を止めさせようとしない方がいい」
友人からも、
「大事になってその人がクビになって、逆恨みされたら危ないから、ふれない方がいい」
と言われました。
決して事なかれ主義の意見ではなく、どちらも私の身を案じて真剣に言ってくれた言葉です。
大げさかもしれませんが、確かにニュースでも元同僚の恨みによる事件などを見ますし、育休中の奥さんと赤ちゃんを抱えるAさんがクビになれば、先輩家族は路頭に迷う状況です。
そんな状況で危ない橋を渡るAさんがとんでもないなと思っていますが、「あの人が告げ口したせいで…」と思われるかもしれませんよね。
上司に訴えたとしても、副業行為が許せない性格の上司だったら怒って何らかの制裁を取るか評価を下げると思うので、やはりAさんからは負の感情を抱かれるでしょう。
実は副業に気付いているけどあえて何もしないタイプの上司だったら、「まあまあ」とこちらが宥められておしまいです。
そのため、Aさんに「副業を止めて」と言ったり、上司に「止めさせてください!」と訴える手段はひとまず取らないことに決めました。
自分の他にも気付いている社員はいる
とはいえ誰にも言わず、一人で我慢して悩む必要はないと思います。
私の場合、違う部署ですが同じ女性社員の先輩に「最近仕事はどう?」と聞かれた際に、「順調ですけど、一つだけ悩みがあって…。実はAさんが隣で副業してて気になっちゃうんですよね」と言ってみました。
するとその人は苦笑い。「ああ…。私、副業の手伝いを持ちかけられたことあるんだよね」と驚きの答えが。
Aさんとんでもないな…怖いものなしか…と愕然としましたが、よくよく過去を振り返ってみると、他にもAさんの働きぶりについて含んだ物言いをする人がいました。
同じ部署の先輩、Bさんです。
ある日の会社の飲み会でAさんの話題が出たとき、Bさんは
「僕が上司だったら、何回か引っぱたいてると思うわ。ほんと、能力あるのにもったいない」
とこぼしていました。
もしかしてあれはAさんの副業行為のことだったのかな。実は気付いてる社員は多いのかもしれません。
副業に気付かれなくても、その人の評価は下がっている
最近特に実感しているのは、たとえ気付かれていなくても、勤務中に副業をしている人の評価は低いということです。
だって考えてみてください。
会社で本業と副業の両方をしている人が、本業のみ集中して仕事している人に、スピードで勝つのは難しいですよね。
うちの部署でも、Aさんは「人柄はまあ良いんだけど、仕事がとても遅い人」と捉えられています。
仕事を依頼したら「一週間後までならできます」と答えたAさんに、「え、そんなにかかるの?」と呆れた声色で呟いた上司だったり。
Aさん欠席の部署会議で、抱えている案件の進捗がやばそうな人としてAさんが話題にあがり、「一つの仕事だけやってればいいと思ってる」「A君は締切がゆるゆるだからなぁ」「ビシッと言ってやってください」などと言われていたり。
多くの大手企業が早期退職やリストラを計画する今の時代、会社からの評価が低い人が定年まで安穏と在籍していられる保証はありません。
だから私は、Aさんが会社で副業をするのを止めさせる方向ではなく、「先輩より仕事が速くてよくできる社員になる」方向にシフトしました。
また、Aさんのせいで自分の仕事が遅延するのは嫌なので、できるだけ一緒に仕事をしないように持っていってます。
例えばAさんが「一人でするには量が多いから、手伝ってほしい」と言ってきたら、「すみません、私も手一杯で…」と断ったり。
もしAさんが「手伝ってもらえなかったから仕事が終わらなかった」と言ったら、そのときは上司に「副業してる人と作業分担したくありません」とはっきり言おう、と思っています。
実際に断ってみたら、Aさんは一人で間に合わせてましたけど。
会社で副業をしている社員は、将来の昇級を棒に振って、リストラされる可能性がある人と捉えましょう。
会社で副業をするリスク
最後に、副業を禁止している企業の割合もご紹介します。
この「副業の禁止」は、本業の勤務時間外にする副業も含まれています。
エン・ジャパン株式会社が行なった『中小企業の「副業・兼業」実態調査 ―『人事のミカタ』アンケート―』では、回答した402社の65%が「副業・兼業を認めない」と答えています。
【出典:『中小企業の「副業・兼業」実態調査 ―『人事のミカタ』アンケート―』 エン・ジャパン株式会社】
また、パーソルキャリア株式会社のd’s JOURNAL編集部が行なった『副業に関するアンケート』では、「副業を禁止している・認めていない」と回答した企業は全体の71%でした。
【出典:『副業に関するアンケート』 パーソルキャリア株式会社 d’s JOURNAL編集部】
まだまだこんなに禁止している会社があるんですね…。
こんな状況で、勤務時間中に副業をしていることが上の人達にバレたら大変なことになると思います。
そのリスクを覚悟の上で、会社で副業をしているんですよね、たぶん。
ストレスを抱えない方法を取ろう
今、私はAさんとは心理的に距離を取っています。
そして、バレてクビになっても知らないぞー、と心の中で呟きながら放っておいてます。
あとは、どうしても副業している姿が視界に入るとこちらのやる気が下がる!苦痛!という場合は、席替えはどうでしょうか。
視界から消えるだけでもだいぶ違うと思います。
ただ私の場合、クーラーがよく当たって寒い席だったので、それを理由に席替えさせてもらえないか提案するつもりでしたが、真っ先に席を交換してもいいよと言いそうだったのがAさんだったため、それじゃ意味ないんだー!と断念しました…。
相談に乗ってくれそうな同期や先輩、上司がいたら、悩みを告げて状況だけ知っておいてもらうのもいいと思います。
とにかく、会社で副業している同僚のせいで、自分がストレスを抱えたり、集中力やモチベーションが下がらないように気を付けていきたいですね。
これからもお仕事頑張ります!
追記
この記事を書いた半年後も先輩の会社での副業は止まらず、とうとう半日も副業をするようになってしまいました…。
こちらのストレスもMAXに近づきつつあったので、直属の上司に相談。



大ごとにしたくはないけど、午前中ずっと副業をされて、こちらのやる気がすごい下がってしまって悩んでいます。直接注意しても大丈夫でしょうか?
すると上司は「僕が注意するから、次に彼が副業をしていたら教えて」と言ったので、その通りに。
先輩は上司と共に別室に行って話をされたようで、表面上は変わりありませんでしたが、その後こちらに見える形で副業することはなくなりました。
ただやっぱり、私が上司に相談したことはバレているのかなーと思います。
それまでは先輩から雑談を振られたりしていましたがそれは無くなり、仲が悪いわけでも良いわけでもないビジネスライクな距離になりました。
今はお互い在宅勤務になったので、先輩が仕事中の副業を再開したかわかりませんが、見えない距離になったので